広域研修レポート その1"オーガナイザー"編
JICAの広域研修という制度を使ってケニアでコンピュータの研修を実施した。
参加者はマラウィ、ザンビア、ジンバブウェ、タンザニア、ケニア、ガーナ、
ボツワナから協力隊とそのカウンターパート。
10日間みっちりとコンピューターネットワークとプロジェクトマネージメントを中心に
研修を進めていった。
研修内容はワイナイナ(俺の新しい同僚)にはレベルが高過ぎるなと思ったんだけど
せっかくだから連れていくことになった。
JICA本部の手続きのミスにより承認が出たのが研修実施の1カ月ほど前。
その時の俺は配属変更やらでそれどころではなくて全く関与していなかった。
研修の数日前にナイロビに行き主催者達と合流した。
広域研修は隊員が主催して行うので会場の設定から備品の準備、研修内容の精査、
準備そして講師まで隊員で行うのである。
途上国でそれをやるのは口で言うほど簡単なことではない。
彼らは「準備終んないよー」って言ってる割には俺に仕事を振るそぶりもないので俺は
“大丈夫なんだろ”と勝手に思って自分のパートだけの準備に徹していた。
だけど、当日フタを開けてみて驚いた。
何も準備されていないじゃないか。。。
グダグダに進んでいく研修。でも、研修は朝8時から夜9時まで続く。
夜まで研修をやるのはケニアの治安の悪さのせいだという。
夜に自由時間を与えるとみな遊びにでかけてしまい犯罪に巻き込まれる可能性が高くなる。
だから夜までみっちり研修をしろと言うJICAの方針だ。
俺はこれに怒りを感じた。
「9時だろうが12時だろうが遊びたいやつは何時でも遊びに行く。
隊員やカウンターパートを子ども扱いしているJICAの態度が気にいらない。
治安が悪いのは事実だとしてもケニアの良さを全くアピールできないのであれば
ケニアで広域研修をやる意味など全くないじゃないか。」
だけど、準備段階に参与していない自分が口を出すべきでないと思い、胸にしまっておいた。
でも、この研修の内容で夜9時までというのはあまりにもひどい。
俺が文句をいわなくてもいずれ参加者の不満が爆発することだろうと思った。
それにケニアの評判、日本人の評判が下がることも耐えられなかった。
そこで、緊急ミーティング。
「準備期間がないのはもう仕方がない。問題はやるかやらないかだ。
やらないんだったら、もう研修は夕方で切り上げよう。休日も設定しよう。
やるなら、徹夜してでもちゃんとやろうじゃないか。」
ということで、ほぼ毎日徹夜となったわけです。
みんなほんと良く頑張った。
日本人だけならとにかく頑張れば形につながる。だから、頑張れる。
でも、今回はアフリカ人もうまく巻き込めたと思う。
久しぶりに日本で仕事をしていた時のような感覚を味わった。
"正論が通じる世界"
「これがこうだから、あんたは間違ってる。だからこうしなさい」
と正面向かって言える。
そしてそのことで人間関係に亀裂が入ることのない世界。
それを気持ちいいとも感じたし、楽だなとも感じた。
正論が通じる世界は楽だ。
全てが同じ土俵に立っている世界。
公平なルールとスタート位置の同じ平等なポジションがあってこそ正論が通じる。
そういう世界のなかで俺は強さを発揮する。
ビジネスマンに向いているのかなって思った。
でも、世界のほとんどがそんな世界ではないということにもケニアでの生活で気づいた。
自分が強いのは狭い狭い井戸の中でだけだってことに気づいた今だからこそ、
その強さに虚しさも感じた。
「もう少し、正論の通じない世界で己を磨く必要がある」
そんなことを感じた広域研修でした。
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