バルちゃん
俺の働いている役所には俺意外にも日本人が働いている。
俺が働き始めてすぐに彼女はこう言った
「バルちゃんはタヌキ親父だから気をつけてね」
バルちゃん(バルターザ)ってのは俺の働く部門のマネージャで俺の上司に当たる人だ。
ケニア人にも当然ながら気の難しい人や一緒にいて気持ちよくない人もいる。
だからあんまり気にはしていなかったんだけど今日その言葉の意味がよくわかった。
ケニアのお役所で働く上で気をつけなければならないのは上司をすっ飛ばして自分の仕事をしないこと。
もちろんこれは日本でもそうなんだけどケニアの場合は組織体系が目に見えにくいから難しい。
"え?この人が俺の上司だったの?"
みたいなことも起きるし、
"こいつはどうしようもない奴だから黙っとこう"
といった行為が仕事を著しく妨げることになったりする。
ということで俺は自分の活動計画を同僚と立てた後も上司とトップの了承を得るまでは
行動に移さないでおこうと考えていた。
で、そのバルちゃん。
彼はとても忙しいので何とか捕まえて活動計画の説明をしようと彼を見張る日々が続いた。
"どーも、バルちゃん、ご機嫌いかが?今日は時間ありますか?"
"今日はこれからミーティングだからダメだ。"
"じゃぁ、明日は?"
"明日の午後に来い。"
で、翌日の午後。
"どーも、バルちゃん、ご機嫌いかが?今から話せる?"
"今は忙しいからダメだ。"
"じゃぁ、明日は?"
"明日の午後に来い。"
ってのを毎日繰り返していた。
でもさすがに俺もいらいらしてきたんだけどどうやらバルちゃんのほうが短気だったようで。
"どーも、バルちゃん、ご機嫌いかが?今から話せる?"
"ダメだ!ダメだ!"
"ちょっとだけだからいいでしょ?昨日渡した俺の活動計画について話したいのよ。読んでくれた?"
"・・・"
"読んでくれたの?"
"お前はこの一ヶ月何をしてたんだ!何もしてないじゃないか!!"
"は?"
"俺が言ったことを何もやっていないじゃないかと言ってるんだ!"
"あんたが俺にやって欲しいことを実現するための活動計画を作ってたんだよ。
そのための調査をこの1ヶ月してたんだよ。だからその活動計画について話し合いたいんだけど。"
"そんなことはどうでもいい。お前がこの1ヶ月やったことを報告しろ!"
"そりゃいいけどその時間はいつくれるの?今は大丈夫?"
"今は忙しいからダメだ。明日の午後来い。"
ケニア人に叱られたことって今までなかったしその叱り方もとっても理不尽だったから
俺も久しぶりにカチンときてしまったよ。
で、同僚のスティーブに愚痴ったら
"あー、バルちゃんね。あいつはいつもそうだから無視してればいいよ。"
でも、ここはケニアだしそういうわけにも行かないんじゃないかと思って専門家に相談。
"あー、バルちゃんね。あいつはいつもそうだから無視してればいいよ。"
なんでもスティーブもその専門家もバルちゃんは全く相手にしていないようで業務報告も
メールで済ましてるんだとさ。
そんな感じだからバルちゃんも卑屈になっていってドンドン関係が悪くなっていく。
どうしたらいいのかねぇ。。
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