2006-12-20

空巣の後遺症その2

防犯グリルも取り付けてようやく悪夢を見ないようになった。
だけど、空巣の本当の嫌なところが見えてきたんだ。



今回の犯行は明らかに学校内に住む者の仕業だとみんなが言う。
確かに犯行時刻や状況から考えるとその可能性は高い。

そして、みんな俺の事件を知っていてこう言ってくる。

「お前の知合いの犯行だ」
「お前の知合いを疑え」
「お前の知合いを信じるな」

いかにケニア人が人を信じていないのかを思い知る。
治安が悪いと言うことはこうやって人の心を腐らせて新たな犯罪を生むんだ。
治安が悪いと言うことの本当の意味はそこに住んだ人でないとわからない。

俺も疑いたくないけどやっぱり近所の人と挨拶してもどこかで
「こいつか?」と思ってしまう自分が悲しい。

そして、最近知った本当に悲しい噂。

あの時俺の世話をしてくれたあのモーゼスがみんなから疑われている。

「あの時お前はモーゼスと一緒に飲んでたろ?あいつを信じるな。」

「彼はいい奴だよ。俺を警察にまでつれてってくれたし。」

「いいか。お前があの時バーにいたって知ってるのは誰だ?あの時お前の家が留守だと知ってるのは誰だ?」

「だけど、モーゼスは俺と一緒にいたんだよ。どうやって?」

「電話して知りあいにお前の家を襲わせたんだよ。最近あいつテレビ買ったらしいぜ。その金どこから手に入れたと思う?」

憤慨した。
モーゼスに会いに行った。

「大丈夫だよ。言わせておけ。」と言った彼の目には確かに悲しみがあった。

盗まれたコンピュータなんてどうでもいい。
俺が悪夢を見ることだってどうでもいい。
人を疑いながら生きていかなければならない世の中がこんなに悲しいこととは知らなかった。



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