2007-08-03

コンピュータで世界を救うのさ。。 <ニャンコを偲んで>

友人が死んだ。


彼も俺と同じように海外でコンピュータエンジニアとして
ボランティアをしていた。

彼は俺なんかとは違って真のエンジニアだった。

ハードウェアからミドルウェア、ソフトウェア、プログラミングまでの
全てのレイヤーを知り尽くしているエンジニアは日本でも数えるほどしか
いないんじゃないかと思う。

彼は自分で自分をコンピュータオタクだと言っていたけど
いわゆるただのコンピュータオタクではない。

きちんとユーザーのことまで考えられるエンジニア。
経営のことまで考えられるエンジニア。
そして何より情熱を持ったエンジニア。

そんな彼と一緒に受けた研修で俺は彼とペアを組むことになった。
最初に受けたテストの結果が彼がトップで俺がビリだったからだ。

そこで彼の実力を思い知った。
正直言って「ボランティアなんてもったいない」って思った。

彼の実力ならもっとすごいことができるだろうし、
日本にとっても損失だと思った。


コンピュータにうんざりして会社を辞めた俺。

そんな俺がコンピュータを教えにアフリカに行くって言う矛盾を
抱いたまま俺は協力隊に入ろうとしていた。

止めた方が良いんじゃないかってのは直前まで考えてた。

酒の席で俺は彼にこう言ったんだ。

「俺は、コンピュータは人を不幸にするような気がする。
だから、俺は会社を辞めた。
そんな俺がコンピュータを教えに行ってもいいのか。。」


そしたら彼は満面の笑顔でそして自信満々にこう言ったんだ。

「コンピュータが世界を救うんだよ!」



きっと彼の言葉じゃなかったら俺はそのセリフを気にも留めなかったと思う。
彼の笑顔と純粋なあの瞳じゃなかったら。。

俺はコンピュータで世界が救えるのか見てみたくなった。
コンピュータが人を幸せにできるのか知りたくなった。

だから、俺はケニアに来たんだ。
彼のあの言葉に出会ってなかったらケニアに来てなかったかもしれない。
もしくはすぐに日本に帰っていたかもしれない。

全ては結果論だけど、彼との出会いは今思うと俺にとってとても重要で
必然なことだったんだと思う。


そんな彼が任国で交通事故で死んだ。


その知らせを職場で知った俺は泣きそうになってた。

そんな俺を見て同僚が心配して聞いてきた。
俺が友人の死を知らせると同僚は

「今日は仕事しなくてもいいぞ。」

と言ってくれた。

俺は仕事なんかする気がしなかったしその言葉に甘えようと思った。

でも、彼の言葉を思い出していた。

彼のためにできることは何かを考えていた。

俺は彼のようにはなれない。
俺の力ではコンピュータで世界を救うことなんかできない。

惜しい人を失った。
本当に惜しい人を。。

悔しいけれど俺にできることは生きて日本に帰ること。
俺の出来る限りを尽くして彼に日本で報告すること。

"コンピュータが人を幸せにできるのかどうか俺なりの答えを・・・"


だから、俺は涙をぬぐって仕事をしたんだ。
情けないけど俺が彼のためにできることはそれくらいしかないと思うから。


無念だったことだろう。
悔しいだろう。

かける言葉もないよ。。

でも、ホントにあなたに出会えてよかった。

今はそれだけです。

安らかに眠ってください。




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